現在まで、日本のみならず世界に通用する、第一線で活躍するレーシングドライバーを輩出してきた「鈴鹿サーキットレーシングスクール」のSRS-Formulaクラス。その中でも「華の三期生」と呼ばれるドライバーがいるのはご存知でしょうか?今回は、SRSの歴史の中でも特に速さを見せた、現在でも現役で活躍されている「華の三期生」をご紹介します。

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鈴鹿サーキットレーシングスクールとは?

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まず「鈴鹿サーキットレーシングスクール」とは、どの様な場所なのかを簡単に説明します!
「世界トップレベルのレースで表彰台を競う人材の育成」をテーマに、技術のみならず精神的にも人間的にも世界のトップクラスとして通用するドライバーの育成を目的として開校されたレーシングスクールです。
その中でも、世界に通用するレーシングドライバー育成を目的としたのが、1996年に開校した「鈴鹿サーキット レーシングスクール フォーミュラ(SRS-Formula)」。
もちろん、入学しただけでレーシングドライバーになれるという甘いものではなく、入門者向けの「STEP1」から、フォーミュラ基礎技術修得の「STEP2」、そのSTEP2から選抜される、本格的レーシングドライバーを目指す上級技術修得の「SRS-Formula アドバンス」、そしてさらにアドバンス修了生から選抜された「SRS-Formula スカラシップ選考会」と四段階の体系に分かれています。鈴鹿サーキットレーシングスクールが独自に組む、レーシングドライバーになる為の特別カリキュラムとなっています。
スカラシップ選考会で優秀な成績を納めた生徒は、次年度の公式戦へ参加できる「スカラシップ」が与えられ、レーシングドライバーとしての人生が始まります。
レーシングドライバーになるチャンスを掴めるのは、SRSに入学した全員ではなく、その中でもほんの一握り。
全員がライバルという状況下で、本当に速いドライバーだけが生き残れる「サバイバル」と言っても過言ではない、そう簡単ではない過酷なものなのです。

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前置きはここまでにして、日本のモータースポーツを牽引し「華の三期生」と呼ばれている、現在でも第一線で活躍する3人のドライバーをご紹介しましょう!
華の三期生 1人目 松田次生

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SUPER GTを語る上では外せない、日産不動のワークスドライバー 松田次生選手も、華の三期生の1人。
SUPER GTでは、2014年〜2015年の2年連続でチャンピオンを獲得し、GT最多勝記録も持っています。
今や日産のイメージが強い松田次生選手ですが、SUPER GTに初参戦したマシンは意外なあのメーカーだった...?気になる方は、この記事を読み切る前に、少し寄り道してみて下さい!
意外な過去が明らかに!?あのドライバーがあのマシンに乗っていた! ~松田次生~(http://welovesgt.com/1054)
華の三期生 2人目 金石年弘

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2002年からGT選手権に参戦し、2014年まで毎年第一線で戦ってきた金石年弘選手も、松田次生選手と同じくSRS-F出身で「華の三期生」の1人です。
金石選手は、ご実家がカートショップを経営している事もあり、幼少期からモータースポーツが身近にある環境で育ちました。その影響もあり、10歳からカート競技を開始し、その後、全日本カート選手権で2度タイトルを獲得。参加したほぼ全てのクラスでチャンピオンに輝くなど、頭角を現していました。そして、1997年に、鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラクラス(SRS-F)に入学。スカラシップを獲得しました。
華の三期生 3人目 佐藤琢磨

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史上7人目の日本人F1フルタイムドライバーとして、また2017年に日本人及びアジア人として初めてインディ500で優勝した、佐藤琢磨選手も、SRS-F出身のドライバー。
琢磨は1996年、SRS-Fが設立したことを知ると、当時まで結果を残してきた自転車競技の世界を飛び出し、モータースポーツの世界に飛び込むことを決心。大学を休学して、モータースポーツの世界で実績や経験を積むためにまずはカートを始め、モータースポーツ歴わずか半年で、競争率10倍の難関を突破し入学しました。

当時の走行画像 出典:https://www.takumasato.com/
「当初は書類審査だけだったものの、琢磨が直談判をし面接審査をする事となった」という佐藤琢磨のSRS-F入学までのエピソードは有名だと思いますが、当時の事を本人は「その年のSRS-Fの入校手続きをして、説明会に参加しました。ところが、選考はすべて書類審査で行なうため、説明が終わったところで『今日はこれで終了します』と告げられたのです。これはSRS-Fに自分の将来を賭けていた僕には納得できないことでした。」と振り返っています。
他の上位の受講生達と同じく、時には講師陣を上回る速さを見せ、1997年に首席で卒業しています。
まとめ

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いかがだったでしょうか?
第一線で活躍するドライバーの中には、幼少期からカートを始め、ステップアップしていったドライバー以外にも「鈴鹿レーシンングスクール(SRS-F)」などの、レーシングスクール出身のドライバーも数多くいます。
現在では、グランツーリスモなどのバーチャルな世界で速さを見せるドライバーがリアルレーサーになるなど、レーシングドライバーになる方法が多様化していますが、実車での絶対的な速さを求められ、感覚だけではなく理論的な速さを持っているドライバーは、レーシングスクール出身の方が多いと思います。
今回特集した「華の三期生」以外にも、鈴鹿レーシングスクール出身で、現在でも第一線で活躍しているドライバーは沢山いらっしゃるので、レース観戦をする際に「このドライバーとあのドライバーはレーシングスクールで同期だった本当のライバル対決だ!」などと、今までとは違った視点で観戦してみるのも面白いかもしれません!