1994年のJGTC開幕から現在まで数多くの熱戦が展開されたSUPER GT。その熱戦は2017年までで13カ所のサーキットで行われてきました。このシリーズは開催サーキットを紹介します。第7回は今年開業20周年を迎え、最近では最終戦の舞台となっている「ツインリンクもてぎ」を特集します。
歴史
ツインリンクもてぎは栃木県芳賀郡茂木町に所在するサーキットです。鈴鹿サーキットを所有するホンダが、日本で2つ目のサーキットとして1980年代に開発を開始し、1997年8月にオープンしました。
本田技研工業の100%子会社として作られ、現在は鈴鹿サーキット同様「株式会社モビリティランド」が運営を行っています。
ロードコースとオーバルコースを併設しているという非常に珍しいタイプのサーキットです。
レースコースの他にホンダ車を初めとした国内外の名車を展示・動態保存する「ホンダコレクションホール」や、ホンダ製品を理解できる「ファンファンラボ」、安全交通トレーニング施設「アクティブセーフティトレーニングパーク」を備えています。
また、周辺の自然と親しむことが出来る「ハローウッズ」や、ハローウッズオートキャンプ場等が場内に併設されています。
開業から現在まで2輪、4輪問わずビックイベントからもてぎ独自のローカルイベントまで多くのレースが行われてきました。
レース以外にもホンダのファン感謝イベントの「Honda Racing THANKS DAY」や花火大会など地元住民も親しまれているサーキットです。
コースの特徴
ロードコースは全長4.801Km。コーナー数は14。最大直線長762m、最大高低差30.4m、コース幅は12m~15mとなっています。
ショートカット路面を使用することでレイアウトを分割することも可能です。
直線と直線をタイトな中低速コーナーで結んだ「ストップ・アンド・ゴー」の比較的単調なコースレイアウトとなっており、オーバーテイクポイントが乏しく面白味に欠けてしまうレース展開になりがちです。
オーバルコース、「スーパースピードウェイ」は1.5mile、アメリカンモータースポーツイベントで使用することを想定して建設えました。
直線長はフロント、バック共に1,969フィート (600m)。バンク角は全ターン10度。バンク角が浅い上に1〜2ターンに比べると3〜4ターンがきつく、1.5mile級オーバルコースとしては珍しくシフトダウンが必要になります。
オーバルコースは東日本大震災によりコースに段差が生じており、現在レースの開催は不可能となっています。
また、オーバルコースがある関係でロードコースとグランドスタンドが遠く観戦者に不評でしたが、現在ビックレース開催時にはオーバルコースのコース上に仮設スタンドが設置されています。
GT開催について
このもてぎでのGTレース開催は1997年のオールスター戦が初開催でした。この時はオーバルコースでレースが行われましたが、マシンがオーバル走行を想定していなかった為、コース2カ所に仮設のシケインが設置されました。
翌1998年からロードコースでシリーズ戦のレースが開催されています。
開催時期はシリーズ開幕戦として開催された2000年(4月開催)を除き、9月から11月の秋に開催されています。
99年と09年以降は最終戦として開催されており、ここがチャンピオン決定の地になっています。
レース距離は97年が137Kmの2ヒートで行われ、98年から08年が300Km、09年以降は250Kmとなっています。
代替開催
2016年のレースは第3戦と最終戦のダブルヘッダーで開催されました。
第3戦は当初オートポリスで5月に予定されていましたが、平成28年熊本地震により中止となり、その代替レースがこのもてぎでの開催となりました。
このレースウィークでは金曜日に公式練習、土曜日に第3戦の予選と決勝、日曜日に最終戦の予選と決勝が行われるというスケジュールが組まれました。
レース距離は両日とも250kmで行われました。
まとめ
近年は最終戦の舞台となっているもてぎ。
今週末の11/11~12にも最終戦が開催されます。
シーズンの全てがここで決まる言わば「天王山」。
毎年チャンピオンを巡るドラマが生まれてきました。
ある者は最高の喜びを手に入れ、ある者は言いようのない絶望感に襲われる場所です。
今年も一年の最後にどんな結末が待っているのか注目です。