レクサスの表彰台独占が、開幕戦2戦連続で続いている2017年シーズン。今期もレクサスの年になり、チャンピオンを獲得するのでしょうか!?そんなレクサス陣営が今年投入したマシンがLC500。そんなLC500のマシン解剖と共に、過去にGT500で参戦していたレクサスマシンを一挙振り返り!
名マシン スープラからの車両変更 SC430
この車両はレクサスのクーペスポーツのSC430をベースに開発、作製した車両です。
エンジンはフォーミュラニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)で使用していた「RV8K」と言う3.4ℓのV8エンジンをベースに、SUPER GT用に製作した「RV8KG」と言うエンジンを搭載し参戦していました。
規定によりパワーを抑えなくてはならず、エアリストリクターを用い約500馬力に制御していました。
「エアリストリクター」と言うものは吸気制限装置の事で主に ・エンジンの一定値以上の高回転化の防止 ・出力の均衡化による戦力差の軽減の2つが効果として上げられます。
エアリストリクターは鉄板に穴が開いたプレートで、規定に合わせ制作されています。
SC430はエンジンのみならずエアロやサスペンションのレイアウトを大幅に変更し、最適化を図った車両で戦っていました。
またエンジンの冷却を目的とし、装着されたパーツも多いことがSC430の大きな特徴と言えます。
DTMとの規定統合 RC-F
2014年からドイツの箱車最速レース「DTM」と共通のモノコックを使用する事が規定となりました。
更に2016年からはウイングとブレーキ、ミッションも統一化されました。
これにより各車両の性能差がさらに小さくなったことになります。
ベースは2013年に東京モーターショーでお披露目された高性能スポーツクーペのRC-F。
エンジンはスーパーフォーミュラのエンジンの「RI4A」をベースにSUPER GT仕様に変更した「RI4AG」です。 形式は2ℓ直列4気筒直噴ターボと規定で決まっています。
エアロは「ハイダウンフォース仕様」と、「ローダウンフォース仕様」の2つの種類の使用が認められていました。
言わば、富士スピードウェイなどの高速ステージでは「ハイダウンフォース仕様」を、それ以外のコースでは「ローダウンフォース仕様」などと使い分けがされていました。
レクサスの最終兵器!?LC500
2016年まで使用していたRC-Fから、最新型のラグジュアリースポーツのLCに車両をスイッチした2017年。
その、LEXUSの今シーズンのエンジンは「RI4AG」。昨年と同じモデルのエンジンを使用しています。
同じエンジンとは言えども、昨年までとは比べ物にならない程に進化。
昨年のRC-Fに搭載されていたものからの変化と言えば、ターボの回転が落ちても過給圧を上げられるようにした事や、レイアウトを変更し、エンジンへの吸気温度を下げてエンジンを冷やす事に成功するなど様々な改良を重ねたと言われています。
また、規定によりウイングのフロントスプリッターが短くなり、ディフューザーの高さを半分にし、ダウンフォースを減らすと言うのが決まり、フリックボックス(フロントライトの周り)や、サイドダクト(ドアの下辺り)などの形状を大幅に変更し、空力バランスの優れた車両を作る事に成功しました。
RC-Fで課題となっていた、ブレーキのクーリングはいち早く改善し、ドライバーからの評価もかなり高いようです。
また、2016年まで3基まで投入出来た新エンジンですが、2017年から使用出来るエンジンが2基に減ったため、LEXUS、他メーカー共に壊れないエンジンが求められています。
また、共通パーツのタービンは1つの型式のみとなっているため、幅の広いエンジンと言うコンセプトで開発を進めていました。
チームの垣根を超えてマシンの開発をしたという所が、今期のレクサスの速さに繋がっているのではないでしょうか?
力の注ぐ量が、他メーカーと大きく違い、その結果が開幕戦、第2戦の結果となって現れていると思います。
まとめ
LEXUS祭りとなっている2017年シーズン。
他メーカーがLEXUSに追い付き、追い越すことはあるのでしょうか?
今後の戦いに期待が持てます。
Writing/ Hijikata Ken(We Love SuperGT!! クルー)