1994年のJGTC開幕から現在まで数多くの熱戦が展開されたSUPER GT。その熱戦は2017年までで13カ所のサーキットで行われてきました。このシリーズは開催サーキットを紹介します。第3回は魔物が棲む伝説の杜、スポーツランドSUGOを特集します。
歴史
1975年5月、ヤマハ発動機のテストコースとして宮城県柴田郡村田町にオープン。ヤマハ発動機の関連会社の株式会社菅生が営業、運営を行っています。
ロードコースの他に国際カートコース、モトクロスコース、ホテルやキャンプ場、アスレティック施設が併設された複合レジャー施設として誕生しました。
オープン当初から2輪の各種レースが開催されてきましたが、オープン5年目の1980年からは4輪レースも開催されるようになりました。
レース以外にもロードコースを使用してのマラソン大会、場内のテニスコートでの国際大会、ロックフェスの会場に使用されるなど幅広いイベントに活用されました。
1987年には大規模な改修が行われ、2005年からはモータースポーツ事業に特化した運営方針に変わり現在に至っています。
コースの特徴
全長は3,737.50Km(シケイン部分を除く3,704.256km)の右回りコースです。
全体で69.83mの高低差がありアップダウンの激しいコースで、中でも最終コーナーからホームストレートに掛けての10%もの登り勾配が一番の特徴です。
元々2輪のコースとして開設されたので4輪レースに使用されるサーキットの中では幅が狭い(10m~12.5m)コースとなっています。
ランオフエリアも少ない為ここでのレースは展開が荒れることが多く「SUGOには魔物が棲んでいる」と表現されています。
オープン当初は現在とコースレイアウトが異なっており、全長2.66kmのハイスピードコースとなっていました。
1コーナーから現在のハイポイントコーナーへ真っ直ぐ登り坂を駆け上がり、馬の背コーナーも現在のようなヘアピンではなく緩い右コーナーとなっていました。
SPコーナーも無く馬の背コーナーから真っ直ぐ110R手前へ繋がるというコースでした。
1987年にコースの大改修が行われ現在のレイアウトに変更されています。
GT開催について
ここでのSGT初開催はJGTC初年の1994年です。
94年から98年までは9、10月の秋にレースが開催されていました。97年と98年には最終戦の舞台となっており、チャンピオン決定の場所となりました。
99年からは開催時期が5月下旬に移動になり毎年第3戦としてレースが行われてきました。(04年のみ第2戦)
シリーズがSUPER GTとなった05年からは7月下旬に再度開催時期が移り、近年では富士、鈴鹿と並び「真夏の3連戦」の一つと呼ばれています。(15年のみ9月中旬開催の第6戦)
レース距離は11年のみ250km、それ以外の年は300Kmで行われています。
JGTC開幕の1994年から毎年欠かさずレースを開催しているサーキットはこのSUGOのみです。
まとめ
山形県在住の筆者にとっては一番足を運んだサーキットです。
ここでは魔物が出ると言われています。
ドライバーやチームにとっては厄介な存在なのかもしれませんが、ファンの目線からは毎年名シーンを見せてくれる名演出家です。
ファイナルラップの逆転劇も2回繰り広げられたSUGO。2017年ももうすぐSUPER GTがやって来ます。
真夏のレースですので観戦される方は熱中症にご注意下さい。