1994年のシリーズ開幕から長い歴史を持つGTシリーズ。その歴史を紐解くと意外な過去が明らかになってきます。現在では、メーカーのワークスドライバーとして活躍している有名ドライバー達も、キャリアの初期には意外なマシンをドライブしていたことも。このシリーズでは、そんな有名ドライバーが過去にドライブしていた意外な参戦マシンを紹介します。
影山正美がトヨタ車をドライブ!?
今回は影山正美選手を特集します。
1994年、1995年のGT1クラス(現在のGT500クラス)チャンピオンである影山正彦選手の弟で、自身も1998年にGT500クラスでタイトルを獲得。2004年までのJGTCにおけるGT500クラスで歴代最多の7勝を記録しているJGTC最多勝記録保持者です。
1994年から2016年までの約22年間、毎シーズン参戦していました。(スポット参戦含む)
そんな影山選手のイメージと言えば長い間GT‐RやZをドライブしたことから日産のドライバーというイメージが強いドライバーです。
またGT300ではポルシェを駆りチャンピオン争いを繰り広げたこともありポルシェ使いという印象を持っている方も多いことでしょう。
ですがGTキャリア初期には、トヨタ車で参戦したこともあります。
1997年のGT500クラスにTOYOTA TEAM SARDから参戦しDENSO SARD SUPRA GTをドライブしました。
ペアを組んだドライバーは開幕戦鈴鹿のみオリビエ・グルイヤール選手、第2戦以降は谷川達也選手と参戦しました。
このマシンで影山選手はGT初優勝を含むシーズン2勝を記録、トムスのミハエル・クルム選手&ペドロ・デ・ラ・ロサ選手組とタイトル争いを演じましたが、3番目の入賞順位でタイトルが決まるという大接戦の末惜しくもタイトルを逃しました。
また、最近では2016年にGT300へTEAM MACHからマザーシャシーの86で6戦に参戦しています。
影山選手はGT以外のカテゴリーではJTCCでコロナやエクシヴをドライブしていたり、1996年のルマンにもサードからスープラで参戦していたりとトヨタとの関係は決して薄くはありませんが、GTではトヨタ車での参戦はこの2シーズンのみとなっています。
まとめ
影山選手は1994年のシリーズ発足から参戦していたドライバーでしたが、マシントラブルが多かったことからチャンピオンの兄とは対照的に中々上位争いに加わることが出来ない状況が続きました。
しかしこのスープラはそんな影山選手をGTのトップドライバーへ導く事となったマシンだと思います。
タイトルを獲得したマシンはGT‐Rでしたが、このスープラにはかなり強く背中を押されたのではないでしょうか。