1994年のJGTC開幕から現在まで数多くの熱戦が展開されたSUPER GT。その熱戦はこれまで13カ所のサーキットで行われてきました。このシリーズは開催サーキットを紹介します。今回は過去の開催地からJGTCフィナーレの地、オートクラブ・スピードウェイを特集します。
歴史
オートクラブ・スピードウェイはアメリカ・カリフォルニア州サンバーナディーノ郡フォンタナにあるサーキットです。インターナショナル・スピードウェイ・コーポレーションが運営と管理を行っています。
1994年4月にアメリカンモータースポーツのレジェンド、ロジャー・ペンスキーが閉業した製鉄所の跡地にサーキットを建設すると発表し、1995年に着工。1997年にオープンしました。
開業当時は「カリフォルニア・スピードウェイ」という名称でオープンし、2008年に南カリフォルニアの自動車連盟「Automobile Club of Southern California (ACSC)」が命名権を取得し現在の名称に変わっています。
開催実績としてはNASCARの各カテゴリー、CART、インディカーといったアメリカの4輪トップカテゴリーや2輪のAMAスーパーバイク等が開催されています。
コースの特徴
このサーキットは開催されるレースによってコースレイアウトを使い分けています。
デイトナやインディアナポリスのようにオーバルトラック内部にロードコースを持ち、バックストレッチからインフィールドに入るレイアウト、ターン1とターン2の間からインフィールドへ入るレイアウト、そしてインフィールドのみで構成される3レイアウトで使用可能です。
NASCARやインディで使用されるオーバルコースは2.029マイル(3265.4m)。
4ヵ所のターンには14°のバンクが付いています。
スポーツカーで行われるレースで使用されるスポーツカーコースは2.8マイル(4.5 km)。
2輪のレースで使用するモーターサイクルコース。2.36マイル(3.79 km)。
オーバル部分を使用しないインフィールド・ロードコース 。1.45マイル(2.3 km)
主にテストで使用されます。
この他にロードコースのストレート部分はドラッグストリップとしても使用されています。
GT開催について
このサーキットでは2004年12月18、19日の日程でJGTCオールスター戦が開催されました。
このレースは「GT LIVE」というイベントのメインイベントとして開催され、D1グランプリのエキシビションマッチと同時に行われました。両日共決勝レースが行われ、18日がスポーツカーコースでの87周200マイルのレース、19日はインフィールド・ロードコースを使用し25周36.25マイルのスプリントレースで行われGT500が10台、GT300が11台に加えて現地チームが1台の合計22台がエントリーしました。
18日の決勝では2回のピットインが義務づけられており、1回目は15周が過ぎてからでないと規定をクリアしたとは認められないという特別ルールが設けられていました。しかし周回数のカウントを巡りルール解釈の違いからレース後にGT500トップを含む数台のマシンがペナルティを受けるという混乱が起こり、後味の悪い結果となってしまいました。
アメリカでのオールスター戦は翌2005年も開催を予定していましたが、現地オーガナイザーとの交渉が決裂したため実現しませんでした。
JGTCは2005年からSUPER GTとなったことで、このオールスター戦がJGTCとしては最後のレースになりました。
まとめ
国外開催では日本から最も遠く離れた開催サーキットです。
今後再びアメリカでレースが行われるのは考えにくい状況にあり、これが唯一の開催になる可能性が高いと思われます。
当時観戦したアメリカのファンには日本のGTレースはどの様に映ったのでしょうか。
もしこのレースをきっかけにSUPER GTを追いかけているアメリカのファンが居るなら、アメリカ開催は大成功と言えるのではないでしょうか。